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グローバル人材の育成を阻害する “グローバル誤診”を防ぐには?


“グローバル人材の育成が急務”としながら、そのための教育は語学研修程度しか行われていないのが日本企業の実情だ。実は、教育担当者や受講者自身が「グローバリゼーションの本当の課題」を見極められていないところに、問題があるのではないか─そうした警鐘を鳴らすのは、グローバルコミュニケーターの育成をミッションに掲げるグローバスコンサルティング株式会社。今回、同社のブレント バーンズ氏、ジャック ニクリン氏に日本企業のグローバル人材育成の課題と解決策についてお話を伺った。

なぜ日本人はグローバル コミュニケーションが苦手か
日本人は国際会議の場や異文化が混じり合うようなオフィスで、他のアジアの国の人々よりも議論が下手だと言われている。同じように英語を母国語としない国でありながら、なぜこうしたことが起きるのか。
ブレント バーンズ氏はその背景に日本独特の「政府機関・一般企業・個人レベルでの『Resource Allocationリソースの分配)』」の問題があるという。「まず、政府は、国際社会におけるコミュニケーションを教えることが重要だという認識がないようです。そのため国の教育機関では、『語学』として文法を覚えることや、テストの点数を上げることに重きを置いた教育が行われています。企業で働いている人は、当然国の教育を受けていますから、ここでもグローバル人材を育成するとなるとまず『語学を勉強しなければならない』という発想になります。これは個人レベルでも同じで、グローバルコミュニケーション力を向上させるためには『まず文法が重要だ』と考えてしまうのです」(ブレント氏)「個人レベルでコミュニケーション力を向上させたいのなら、文法が正しいかどうかばかりを気にするよりも、まずは外国人とコミュニケーションをとってみるという姿勢のほうがよほど重要ですし、そうした考え方がグローバルでは当たり前です」(ジャック氏) 政府・企業・個人がそれぞれ間違った認識のもとで、時間やお金といったリソースの分配を行っているというのだ。こうして、コミュニケーションとしての言語ではなく、勉強ありきの語学が受け継がれてしまっているのが日本の現状である。

課題の本質を見誤る“グローバル誤診”
そもそも、グローバル人材とはどういった人材を指すのか。その要件は何かがわからなければ、グローバル人材になることも、育てることも不可能だ。グローバスコンサルティングでは、グローバル人材を『個人レベルで、異文化が混じり合うオフィスで、効果的なコミュニケーションをとることができるスキル』を身につけた人材と定義している。こうした人材を育成するうえで問題となるのが、グローバルコミュニケーションに必要な基本についての世界と日本の見方のズレだ。「たとえば、プレゼンテーションに必要な項目を重要度によって並べていくと、海外ではロジック、フレーズ、Q&A、最後がヴィジュアルの順となりますが、日本ではボディ、ヴィジュアル、フレーズ、ロジック、Q&Aとなります。ですから、日本におけるプレゼンテーション研修では資料の作り方や見せ方を教えることになってしまうのです」 (ブレント氏)
「日本企業の教育担当者から『プレゼンが通らないのは発音に問題があるから。そこを直してほしい』という連絡をいただくことがあります。そこでチェックしてみると、問題は発音ではなく論理にあるということが多いのです」(ジャック氏)このように、そもそも教育担当者がグローバル人材の定義ができていない、グローバル人材を育てるための課題がズレているといった Global Misdiagnosis(グローバル誤診)が、グローバル人材の育成を阻害している。

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アセスメント~ソリューションまで独自のプログラムを提供
こうした状況を改善するには、まず正しい問題点を見極める必要がある。
そのために同社が提供しているプログラムが、独自のアセスメントシステム
BISAだ。
 これは、社員のグローバルビジネススキルを、プレゼンテーション67%、
会議63%、交渉47%というように数値化する面談形式のアセスメント。面談シミュレーションを含む4つのケーススタディを通して、現代ビジネスの世界におけるコミュニケーションに必須の4つの主要なコミュニケーション(プレゼンテーション、交渉、会議およびディスカッション、オフィスでのコミュニケーション)の評価を1000点満点で数値化し、70の主要なスキルを評価したうえで受講者ごとにフィードバックを受けられるというもの。そのうえで、必要であれば、たとえば同社は英文eメール作成のトレーニングサービスを提供することができる。英文eメールの作成に多くの時間を割くよりも、テンプレートを活用して効率よくメール作成を進め、結果を出すことのほうがビジネスとして重要なのはいうまでもない。しかし、英語を母国語としない日本人は英文eメールを作成して仕事をした気になってしまう傾向があることは、否めないだろう。グローバスコンサルティングは、こうした時間の無駄遣いを極端に嫌う。それが、世界のビジネスの標準だからだ。eメール作成の教材は、東京オフィスとシンガポールオフィスで全く同じものを使い、アジア全体を通してグループ会社内一律のトレーニングを提供できるのが同社の強みだ。他にも同社は、管理職層に向けた エグゼクティブコーチングや、日本的なコミュニケーションと「グローバル」なコミュニケーションのスタイルの主な違いに焦点を当てた研修DVDの作成を含むコンサルティングなど、さまざまなソリューションを提供できる。
 グローバル人材教育にどれだけ費用や時間を注ぎ込んでも、グローバリゼーションの本質を突いたポイントに投資しなければ意味がない。その本質を示し、アセスメントから各種のソリューションまで提供できるグローバス コンサルティングは、真のグローバル人材育成をめざす企業にとって、心強い味方となるだろう。